なんでもない日常を

30歳の人間の生き方

依頼心は人を壊す

依頼心。その言葉は人間を表していると思う。この言葉を聞くことになったのは前職でだ。最初は特に何も思わなかったが、色々な世界で働いてきて「依頼心」は人間そのもののように感じた。

 

 

「誰かがやるからいいか」
「自分がやらなくてもいいや」


そんな感情は人間誰にだってある。それが表れるのは多くの人が使っているものであり、その作業は多くの人ができることだ。
会社のゴミ箱のゴミがいっぱいになっている時に、ゴミ袋を交換して捨てる。ゴミが落ちている時に拾う。電話に出る。誰でもできるが、やる人が決まっていないこと。


そこにその人間の本性が出ると思う。他人に対しどう考えて動いているかがわかる。


話しかけた時に笑顔で話してくれたあの人も。
優しい言葉をかけてくれたあの人も。
いつも仕事をやっているように見えるあの人も。
困っている時に助けてくれるあの人も。


そこで、本性が出る。
ゴミが溜まっているのに気づいて放置した人は、所詮自分に関係あって自分が得する事しかしない。誰かがやればいいやと思い、笑顔を向けて話しているその相手にやらせようと。それでいいと思うのだ。この世の中はそんな人がたくさん集まって生きている。


そしていつも、ゴミ袋を変える人が損をする。そのうち変えなくなる。なぜかっていえば、誰もやっていないから。自分も呑まれてしまった。この会社では誰もゴミ袋を変えない。溢れていても。そして自分は変えなくなった。依頼心は伝染していく。
そんな悪を広げる集団に染まった。抜け出さなくては。
そんなやつが仕事を教えても、部下にはなにも伝わらない。


部下が見ているのは仕事のやり方ではない。
仕事に対する向き合い方、生き方だ。
やり方を教えるのはマニュアルでいい。
それでこそ尊敬される上司になれる。
尊敬されたいなら、ゴミ袋を変えるのが手っ取り早い。